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南外山堀井歯科
〒485-0024
小牧市大字南外山162-3
TEL : 0568-75-7075
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妊娠すると歯が悪くなる、という話をよく耳にします。そして、その「理由」によくあげられるのが、「おなかの赤ちゃんがお母さんのカルシウムをとってしまうため」というものです。これは本当でしょうか。答えは「ノー」です。
歯はひとたび出来上がると、新陳代謝がほとんどなくなり、体のカルシウム代謝とは無関係の器官になります。したがって、体のカルシウムが他の器官へまわされるということはなく、まして胎児にそれがとられるというようなことは絶対にありえません。
確かに、妊娠中には、すでにあったむし歯が悪化したり新たなむし歯ができやすくなったりする傾向がありますが、それも妊娠が直接的な原因ではありません。妊娠という身体の変化のために、生活習慣のリズムが不規則になって、ついつい口の中が不潔になってしまうためなのです。
とりわけ妊娠初期には、精神的な不安や、「つわり」がひどい場合には食生活も乱れ、歯磨きもおろそかになりがちです。また、中期以降には、胎児の発育も盛んになり、基礎代謝量も増加しますから、食欲も増進して「間食」をとる機会も多くなってしまいます。ちょうど、発育盛りの子供が甘いものを欲しがるのに似た状態ともいえるでしょう。出産後も、育児に追われて生活のリズムはいっそう乱れやすくなり、とても自分の口の中の健康にまでは手がまわらないというのが実際のところかもしれません。
こういった意味では、妊娠中は常にむし歯になりやすい環境にさらされている、といえるでしょう。むし歯の直接的な原因となるのは、歯に付着したプラークが多く生産され、しかもそれが長時間にわたって歯に付着したまますごしてしまいがちです。
妊娠中には、以前にもまして歯の清掃を心がけたいものです。「食べたらすぐに歯磨きを」の習慣を、自覚的に実行していただきたいと思います。つわりで歯ブラシが使えない場合にも、食後にすぐうがいをすることでかなり違うものです。やがて生まれてくる赤ちゃんのためにも、お母さんが「お手本」なるように、自分自身の歯をむし歯から守り続ける努力をしてほしいと思います。
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